菅平高原観光協会

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COLUMN

第12回スカイライントレイル菅平 1日目
標高差100mを一気に駆け上がるサナダバーティカル

July.19.2019

「天空の回廊を駆け抜けろ!」のコンセプトで、初夏の菅平高原を舞台に開催されるスカイライントレイル菅平。山頂からの大パノラマを求めて、トレラン歴3年になるライターでエディターの伊藤大輔が2019年の第12回大会に参戦し、2回のコラムでレポートする。

文:伊藤大輔

 6月、残雪をいただく山々に新緑が芽吹く季節であり、ランナーにとってはトレイルランニングのレースシーズンでもある。5月~6月のレースは地域によって差はあるものの、真夏とは異なり涼しさが残るため、走りやすい。今回、お邪魔したのは長野県・信越エリアで開催されている、スカイライン・トレイル菅平だ。

 毎年6月上旬に開催されているこのレースは今年で12回目。トレランがそこまで市民権を得るより以前から開催される老舗的な存在であり、日本スカイランニング協会が公認する本格的なレースとしても知られている。今年は6月8日(土)、9日(日)に開催された本大会。この記事では8日に開催されたサナダバーティカル100、9日のスカイハーフのレースをレポートしていきたい。

標高差100mも距離にしたら300m弱。余裕?

 晴天率の高い時期に開催される本大会だが、前情報によるとレースの週末は残念ながら雨予報……“なんとか晴れないかな”という希望を胸に抱きつつ、曇ったり小雨が降ったりと、山の変わりやすい天気のなか一路、会場へと到着した。ちなみに菅平高原は上信越高原国立公園に属する高原地帯で、標高も1,000mを越えているためとても涼しい。だが、サナダバーティカル100の選手受付を終えた頃には土砂降りに……。

 車で雨の服装に着替えて待機していると、レースの説明会の直前には奇跡的に雨が上がった。ということで、レインウェアを脱ぎ捨て、意気揚々と競技会場へ向かった。“バーティカルレース”という言葉に馴染みのない方も多いと思うので、説明しておくと、つまりは“駆け登る”レースのこと。このサナダバーティカル100は、標高差100mを一気に駆け上がる。距離にすると300m弱のレースだ。ちなみに筆者はバーティカルレース初参加である。“100mなんてたいしたことないじゃん”と正直、このレースを見くびっていた(あとで痛い目に合うことになる)。

初日は体験型のイベントなども多数開催。写真:下山展弘
協賛ブランドなどの出店でも賑わった。写真:下山展弘
子どもたちがイベントを楽しむ姿も。写真:下山展弘
レースの注意事項などを伝える説明会の様子。写真:下山展弘

 レース会場に着くと、中上級者向けのコースと思われるゲレンデに向かって一直線にフラッグが並んでいた。“え、これ登るんですか?”。レース前のブリーフィングでは“途中からの急登はトップ選手でない限り走れないのでそこを抑えて、最後のスパートのためにいかに余力を持たせるかが、勝敗のポイントになります”という説明に加え、さらには“救急車を呼ぶことになる前に、ダメなら棄権してください”という一言で、レースのハードさを徐々に理解しはじめ、不安に駆られた。

 雨は止み、レースが始まる前にウォームアップをする選手たちの足の仕上がりを見たときに、ようやく“これはヤバイぞ”ということに気付くが、時はすでに遅し。予選2組目で悲しくも号砲が鳴った。GoProを片手に何とか選手に付いていく(そういう私も一応選手です)。レース前の説明通りに中間の急登はもちろん走れず、息がどんどん上がっていく。

 足が悲鳴を上げ始めるが、それでも歯を食いしばって先頭に遅れをとるまいと(すでに最低位だったが)登り続けて、ようやくゴール! と、同時に足が攣りそうになって座り込む。どうやら完全にオーバーペースだったようだ。ゴールの直後に立てなくなるなんて、フルマラソンの完走後にしか体験したことがない! とりあえず座り込み、しばらく休憩したのちに、プルプルする足を抑えながら、登った坂を下り(これがまた辛い)、早速応援体制へ回った(笑)。

心肺機能を高めるトレーニングにも最適

 ということで、客観的にレースを見ていくと、歴代優勝者などの猛者に加えて、ハイスペックなアマチュア選手たちがガチンコのレースを繰り広げるなか、8歳の女の子がレースに参加していて場を和ませていたのが印象に残った。天気はさらに回復し快晴となるとレースも終盤になり、司会者のススメで敗退者はゴール地点に残り、登ってくる選手を応援するようになる。

 男女ともに決勝ともなると最初から最後まで走りきる熱戦となり、ゴールに近づくにつれて、大きな歓声が湧き起こる。敗退したからといって帰る人もほとんどなく、過酷な内容でありながらもアットホームな雰囲気のレースだった。内容がハードなだけに、正直誰にでもオススメできるレースではない。だが、普段から坂ダッシュやインターバルトレーニングを取り入れている、脚と心肺に自信のあるランナーの方は、体力試しに出てみてはいかがだろう?

 さてレースに出た僕はというと、走っている時間は一瞬だが、思った以上に身体に疲労を感じたので、本番でもある明日のスカイトレイルに疲れを残さないためにも、この日は宿泊施設だった菅平高原温泉ホテルの温泉で英気を養った。

伊藤大輔
ライター/エディター。本職は音楽やカルチャー分野だが、デスクワークの運動不足を危惧してランをはじめる。トレイルランニング歴は3年。出場経験のあるレースは、八ヶ岳スリーピークス、志賀高原マウンテントレイル、大雪ウルトラトレイルなど。

スカイライントレイル菅平
https://sugadaira-trail.jp

根子岳と四阿山の山頂には雲がかかっているものの、夕方には青空も見えてきた。写真:下山展弘

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